

マリーズ・ショジーというひとりの女性の生き方を追った時、20世紀前半のパリの深淵をのぞき見るような思いになる。
フロイトの精神分析を受け、シュールレアリストたちと交遊。乳房を切除し修道僧に変装して女人禁制のアトス山に登り、自ら望んでサーカスのライオン使いや娼窟で働き、ヒマラヤのグルに精神分析を試み、その全ての経験を文筆活動に昇華した。
この本の冒頭に収められた、藤田嗣治によるマリーズの肖像画は1926年であるから、シュールレアリストたちと交遊していた時期に知り合ったと思われる。
美術挿画本ではないが、フジタが生きた時代のパリの深層と、フジタの交遊の一端を知る本である。
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